(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

2003-01-01から1年間の記事一覧

『オモライくん』永井豪 ISBN:4796603832

変わった版で安く手に入れる。各所になかなか再版されない理由となるであろう箇所がある。あと食事どきには読めないマンガである。オモライくんの食い物に関わる場面では、作者も顔を出して食欲が失せることを訴えるぐらいである。基本的にきたなさを笑うギ…

『挟み撃ち』 後藤明生

何が「挟み撃」たれているのか? 最後まで読むと、形式的に挟み撃ちがあることがわかる。問題は次からで、個人の内面において挟み撃たれているものは何かという問いに進むことも可能だし、思想的に挟み撃たれているものを問うこともできる。さらに現代の立場…

火の鳥 ギリシャ・ローマ編 ISBN:4048536443

正確にはエジプト編から始まる物語となっている。掲載誌は「少女クラブ」で、この角川の雑誌タイプ版に同時に所収の「漫画少年版 火の鳥」(1954〜1955)に次いで一年後に書かれた、「火の鳥」として初期の作品である。まずこう言っておかなくてはいけないの…

『挟み撃ち』 後藤明生 ISBN:4061976125

最後まで読んでいないのでメモのようなもの。 自分に起きる出来事を、すべて「突然」起きたと述べてしまうのは、その出来事に対する分析や説明から逃げてしまうことである。しかし本来すべての出来事は突然起こる。どんなに強力な原因があったとしてもそれが…

ジダンのFIFA年間最優秀選手受賞に

『フットボール・エクスプロージョン!』 ISBN:4560049548 p83から、ジダンについての魅力的な記述が続く。 ジダンは空間を、その密度を変えることができる。・・・彼の蹴るパスが空間を横切るとき、それまでの狭い/広いといった二面性でしか語られてこな…

火の鳥 生命・異形編 異形編について。 実験的な手法が見事な効果を発揮している。シリーズで最も有名であろう鳳凰編以降では、非常によくできている作品といえる。そのからくりの性質上、歴史を描くという側面は希薄だが、同様のSF的アイデアを使ったもの…

副題が帯で隠れている・・・

ピュ―と吹く!ジャガー 6 ISBN:4088735382 週刊少年ジャンプを毎週読まなくてはいけないなあと思った。半年のあいだ単行本が出るのを待ってるのはあまりにもったいない。リアルタイムで読みたい。6巻目の特徴は、大半の1笛(1話)の最後に「うすたのひと…

『異国伝』佐藤哲也 ISBN:4309015794

フィクションを読んで驚くことは少なくなったが、佐藤哲也の短編はいつもと言っていいほど驚きがある。『ぬかるんでから』では色々なところで驚かされた。この書き下ろしの作品は形式が一定である分、語り方に驚かされることはないかと思いきや、さにあらず…

手塚治虫キャラクター図鑑5

「三つ目がとおる」とおかしな奴ら編 「陽だまりの樹」と歴史の群像編 著者: 池田 啓晶(構成・文) 朝日新聞社 ISBN:4023302244 発行年月:1998.12 より『三つ目がとおる』のもっと一般的読み方を知りたいと思って古本屋で手に入れる。

三つ目がとおる KPC完全版シリーズ

三つ目がとおる スマッシュでさよなら KPC ISBN:4063531317 惜しいのは結局写楽の行く末について何ら決着をつけていないところである。二つ目の人類への復讐を誓う写楽に何らかの応報がないのは物語のカタルシスとしてどうかと思う。ただ、それと不可分な写…

ファーレ立川

ネットで見つけた古本屋に探していた本を買いに立川へ行く。久しぶりなのでファーレ立川のパブリックアート群を見に行く。時間が立ってどう変化しているか、どう馴染んでいるかあるいは馴染んでないかがポイントだった。結果は、その場所に単に置かれている…

単になんぎなうし

みうらじゅんのマンガ。1984年青林堂刊。初出は1982〜83年ガロなど多数。ISBNでなさそうな数字が記されている:0071-0127-3863:これは何という記号だったか? エロと牛と貧乏と鼻水とかにまみれたマンガだが、内容は古さを感じさせない。絵では、人物の…

最後の長編エピソード

三つ目がとおる「怪鳥モアⅠ」 KPC ISBN:406353121x これまでも写楽が学校でシゴキにあう場面は多かったのだが、今回もふつうのコマ割で1ページ以上も竹刀で叩かれている。思いつきだが、手塚治虫はスポ根ものに含むところがあったのではないだろうか。ま…

『天使』

佐藤亜紀 2002 11/15 文藝春秋 ISBN:4163214100枝葉の部分から箇条書きで。 「感覚」の描写は強烈で、読みごたえがある。 帝国の終焉の場にいる感慨などは、作者の独壇場とも言いたくなる。 ストーリーはきれいに結んでいない。続編も書けると思う。 題名の…

文京区の古本屋

前に夜中に一度だけ行ったことがある、千駄木あたりの古本屋を探して出かける。 場所のイメージはあるのだが地図を見てもどうも該当する場所がない。駒込学園前の通りが一番イメージに近かった。しかしそこになかったので結局あきらめて不忍通りを北へ帰って…

必然の展開

三つ目がとおる 「地下の都」 KPC ISBN:4063531163 今回は「地下の都」という謎の解決が主軸でなく、写楽の抱える問題の解決にその謎が役立つ、といった話。バンソウコをとった写楽は(二つ目の)人類にとって危険すぎる、と育て親の犬持博士は手術で目を潰…

東武練馬の古本屋

駅の南側の三軒の古本屋でそれぞれ本を買う。二軒は旧川越街道沿いに並んでいる同規模のそろってユニークな店。雑然とした店内とサブカルチャー中心なのが特徴。 買ったのは前から探していた3点と中公愛蔵版の『モジャ公』。 少し読んでしまったのだが、こ…

 ヴィレッジ・ヴァンガード

ヴィレッジ・ヴァンガードにはじめて入った。ずいぷん前から(もう3年は経っている)気になっていたのだけれど、機会がなかった。行ってみて感心した。永江朗が褒める訳だと思った。行ったのは神保町の店で、マンガなどのポップを見ているだけでも楽しめた…

裸オチ

三つ目がとおる「古代王子ゴダル」 KPC ISBN:4063531090また「裸オチ」である。和登サンが裸になって事件が収束するというパターンが何でこんなに描かれるのだろうか。手塚治虫が楽しんで描いている、ということも考えられるのだけれど、とりあえず次のこと…

先生がいっぱい

安田弘之 小学館 2003 10/1 ISBN:4091871011少し前にスペリオールを読んだとき(第8話)印象に残った作品だったが、作者に注意していなかった。こうして単行本になったのを読むと、おもしろいのだがまだ物足りない気がする。多くのキャラクターを生かすこと…

大山、氷川町の本屋

板橋区大山周辺の古本屋と氷川町にある本屋に行く。大山では「SNS大山」という駅の(北)東側すぐの古本屋に初めて入る。各ジャンルの本が高いものから安いものまで置いてあり、欲しい本もあった(旺文社文庫の内田百輭シリーズなど)。が、良いお店であり、…

川越の古本屋

川越の高橋書房という古本屋に行く。じつはずいぶん前に一度行ったことがあるのだが、そのときは特に感動はなかった。今日行ってみると70〜80年代の本がそのまま売られているという感じがあり、値段も安めだった。それほど珍しいものでないけれど探して…

ちひろ 安田弘之、講談社 ISBN:4063287718 2001/09/21最近読んだマンガで一番驚いた。本の帯には「カラダとココロのヘルス嬢!」とあるが、そうした感じの話は一部だけである。自分で壊れてると自覚する「ちはる」の生き方が魅力的に描かれる。 ひとつ気にな…

『漱石を売る』

出久根達郎、文春文庫、1995古本屋によく通う私にとって、外出先で少し時間のあるときに読むうってつけの本だった。適度に感情に作用し、頭の働きに役立ち、少し役に立つ情報もある。だから過度に没入せず、周りに配慮しつつ読めた。

『プールサイド小景・静物』

庄野潤三 新潮文庫。 まだ冒頭の短編「舞踏」のみ。1950年に発表。わざわざ西暦にしてみたが昭和25年のほうが明らかにしっくりくる。読んでいて成瀬巳喜男の『めし』*1を思い出した。 結婚5年目で長女が3歳、夫は安月給の市役所勤め、そこに起こる夫…

『歌舞伎キャラクター事典』

荒俣 宏、いまいかおる・絵、1987、ISBN:4403220304 読むというより引いて使う本だが、今まで使える所に出していなかったので、つい色々読んでしまった。ひとつのキャラクターに荒俣宏のひとこと紹介、人物、物語、歴史、名科白、雑(学)などの項目とか…

和登サンは出ない

講談社の雑誌タイプのコミックスの『三つ目がとおる』も、もう9冊目。8月20日発売の「イースター島航海Ⅱ」は、初出「週刊少年マガジン 1976年10月3日号〜12月26日号」となっている。 文庫で読むより絵が見やすいし、割安ではと思って買い出し…