(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

和登サンは出ない

講談社の雑誌タイプのコミックスの『三つ目がとおる』も、もう9冊目。8月20日発売の「イースター島航海Ⅱ」は、初出「週刊少年マガジン 1976年10月3日号〜12月26日号」となっている。
文庫で読むより絵が見やすいし、割安ではと思って買い出したこのシリーズだが、計12冊ほどになりそうで、見込み違いだった。値段とかサイズより結局一番利点となったのは、「次が出るまでワクワク」できる、ということである。ほとんどのマンガの一番楽しい読み方は「リアルタイム」で読むことだと思うので、その楽しみが一端でも加わるのは悪いことではない。
このイースター島航海編は9章が費やされる力作で、変っているのは和登サンが2つのシーン、計4コマしか出ないことだろうか。ここまで掲載紙の関係(=読者の要望?)か、和登サンの活躍*1がなかなか魅力だったのだが、それではどうなるのかというと、当然別の女性キャラが出てくるわけである。しかもその女性キャラに写楽が「和登サンよりスキなんだ」と言ってしまうような顛末になっている。敵キャラは日本人への復讐(…)を目論む「男装の麗人」で、最後には三つ目人の国の場所を教えるという役割を果たす。彼女は見分けつかないが東南アジアの人で最後まで本当の名前は不明だ。一緒に旅をするのは、時々教科書に載っているようなベートーヴェンの顔になるなどお遊びの利いたキャラである「雲名警部」で、和登サンの出る幕はないのだった。
写楽と和登サンの関係や三つ目人の島の存在を知った写楽の行動など、今後の展開が気になるうまい作りなのだった。

*1:作者が「そんなのはGOちゃんにまかせておけばよいのだ」と突っ込む(「暗黒街のプリンス」より)ほど、よくハダカになったりもする