(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

三つ目がとおる KPC完全版シリーズ

三つ目がとおる スマッシュでさよなら KPC ISBN:4063531317
惜しいのは結局写楽の行く末について何ら決着をつけていないところである。二つ目の人類への復讐を誓う写楽に何らかの応報がないのは物語のカタルシスとしてどうかと思う。ただ、それと不可分な写楽と和登サンとの関係について、結局まったく進展させずに終わっているのは、恋愛の描き方としてひとつの形といえる。別の観点からすれば、二人の関係を基本線に、超古代文明を中心にしたオカルトの題材で展開しているマンガということになる。当時のマンガの状況を考え合わすことができるなら、手塚治虫の題材処理が見えてくるだけでなく、ジャンル論としてもおもしろいかもしれない。