(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

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そもそもノートなのだからこんなところに書く必要はないだろうが、実際に仕上がるのはいつだか見当がつかないので、書き次第貼り付けておく。
大友克洋 1983 ISBN:4575930326
童夢』は大友克広の名作(日本SF大賞受賞作ということから出世作かもしれない)とされているが、マンガ表現上の革新性については検討されることが多いものの、その表現内容については突っ込んだ言及がされていないように思う。表現内容というのは、表現そのものとそれが指し示す内容が不可分である以上便宜的な言い方に過ぎないが、ここではこのマンガにおいて重点をどこにおいて論じたいかを伝える為に使っている。

この論の目的は、同作品の舞台のモデルとなった実際の団地という局地的な観点から解釈し、そのユニークな特質を明らかにすることである。解釈の眼目のひとつは私的な観点によるものだが、基本的な論点は局地的なのであって個人的なものではない。

この団地の棟の配置は作品において重要である。これがもし、たとえば、高島平なら、囲い込まれた空間という性質が希薄になるだろう。