(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

東京カイシャイン 1

エンターブレイン ISBN:4757702167
タイム涼介うすた京介はどちらも好きなマンガ家で、似ている部分もあるが(あらためて見れば名前もよく似ている)違う部分があるから両方好きなのだろう。『日直番長』『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』の時にはまだ二人を比べるべき共通点があったかもしれないが、その後の作品では違いのほうがはっきりしてきたように思う。うすた京介が、常に作中に特別な人・ヒーロー・アーティストを持ってくるのに対し、タイム涼介の作品に出てくる人は変であっても普通の人ばかりである。それはどのような読者を想定してキャラクターを作るかというように考えることもできるし、それ以前にギャグマンガなのだからその笑いのテクニック(といっても私が語れるのは細かい構造でしかないだろうが)を比べるべきだが、どうもさらにそれ以前の問題がありそうなのでやりにくい。タイム涼介の作品があんまり読まれていないということである。この作品も残念なことに2巻は出ていない。
さてセクハラ・ギャグという分類があるのをこの本の帯を読むまで気が付かなかった(本当にセクハラでは笑えないから語として矛盾している気がするが…)。それより数は少ないが、汚田さんによる「地球にキビシイ」系の笑いもなかなか衝撃的である(「東京でオゾンホールを見るのが夢でした」p64など)。どちらであっても「インモラル」であることを笑いにしていて、罪悪感にまつわる部分を(日直番長の時から)タイム涼介はうまく題材にしていると思う。