(旧)週間買った本

2013年まではてなダイアリーに書いたもの。

冒頭のオシムへの「スペシャルインタビュー」に加えセルジオ越後への「直撃インタビュー」だけでも読む価値があったのだが、特集も色々だが廣山などへの取材を軸とした「海外移籍の現実」など読み応えがあり面白い。磯貝へのインタビュー後編は当然面白い。だが個人的に面白かったのが「海を越えてきたフットボーラー」のウェズレイへのインタビューだ。セルジオ越後へのとは正反対の仕方で「失敗したインタビュー」であるようなのだが、インタビューは常に失敗した方が断然面白くなると勘違いさせてしまうような読み応えである。両方の記事とも取材者が失敗したことを頭から認めていて、それを表に出しているところがまず面白くしている要因だろう。
ウェズレイへのインタビューがうまくいかなかった要因を、取材した加部究さんはわかっていて書いていないようなニュアンスがあるのだが、どう考えても「インタビューされるのがイヤだった」ことが第一だろう。それもよっぽど嫌いなのだろう。この日はたまたま、という推測も難しいように思える。さらにその理由は、加部さんも書いている通り「要するにシャイ。」に尽きるのだろう。取材者とすれば、いくら嫌いでも一応時間通りに礼儀正しく対応して欲しいところだろうが、読むほうとしてはそのイヤさ加減が伝わってくるのが面白い。記事の締めくくり、編集長に原稿の分量をを減らすお願いをし(それで写真が多くなったのだろうか)、次にウェズレイ代理人に報告を兼ねて抗議した、というくだりも良い。付け加えるなら、記事を読んで本人への印象が悪くならないところも良い。